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2004年 07月 08日
Crooked Rain/Pavement
90年代と言う時代を最もよく表現していたバンドは俺にとってはニルヴァーナでもストーン・ローゼスでもブラーでもオアシスでもなく、このペイブメントだ。 ペイブメントこそが90年代を代表する世紀末バンドである。 壊れた時代。 俺はペイブメントを聴いたときにはじめて、90年代とはどういう時代なのかを知ることが出来た。 ペイブメントのファースト・アルバムを始めて聞いたときは衝撃だった。 それはあまりの素晴らしさに感動したとか、そういうものではなく、「あまりのヒドさに絶句」してしまった、という意味での衝撃だった。 ヘタクソ極まりないノイズギター、ペタペタという薄っぺらいドラム、そして覇気の感じられない、無気力で投げやりなボーカル。 なんじゃこりゃ? これでも音楽か? 雑誌等で書かれていた「新しいサウンド」ってこんなもんだったのか? 確かに新しかった。いままでこんなヒドい音楽は無かったという意味で。 「ああ、ひどいCDを買っちまった。金をドブに捨てるとはまさにこのことだよな」 俺は怒りにかられるよりもヘナヘナと脱力してしまった。 そしてしばらくは、このペイブメント、ファーストアルバム「スランテッド&エンチャンテッド」は聞かれることなく、CD棚の隅っこでホコリをかぶっていた。 ある晩、俺は本当に気まぐれで、このCDをもう一度聴いてみた。 あいかわらず脱力したような、酔っ払って歌っているかのようなヘロヘロボーカルとへナヘナギター、・・・・・・・・・しかし 俺は以前、聴いたときとはまったく違う感情を彼らの曲から感じていた。 「これって、まるで、俺みたいじゃないか???」 ペイブメントの奏でる、無気力で投げやり、ヤケクソで悪意に満ちた音楽は、まるで俺が日々感じているムシャクシャした気持ちを、そのまま音楽に変えたかのように聞こえてきた。 ムシャクシャはしてるが、かといって声を荒げて不平不満をぶちまけたいわけじゃない。 そんなことするくらいなら、何もしないでダラけてたほうがまし。 怒りを表現するなんて気力もない。 だからと言って、世の中はやっぱりクソッタレだと思うけどね。 無気力と冷笑と、不真面目と鬱屈が交じり合ったようなこの感情。 それはペイブメントの音楽そのものだった。 あまりに自分の心情とシンクロしてしまったことに驚き、それ以来取り付かれたようにこのアルバムを聞きつづけた。 そして聞きつづけるたびに、じわじわと彼らの曲が気に入ってしまった。 かれこれ10年以上、このアルバムを飽きずに聞いている。 もう彼らの音楽が体に染み付いてしまっていると思う。 それは決して誉められたことではないが。 このペイブメントの壊れた音は「ダメ人間のアンセム」なのだ。 まっとうな人間にはとても勧められない。 ダメ人間だけがわかる、ひきこもごもがこのアルバムにつまっている。 まっとうな音楽、しっかり作られた音楽、音楽を真剣に作るという行為に対し、初期ペイブメントはツバをはきかける。 不真面目さと適当さ、そして世の中に対するフラストレーション・・・・・・・・それだけでも音楽は作れるんだということをペイブメントは証明した。 それは言ってみればロックミュージックに対する死刑宣告であり、ペイブメントの音楽はすでに死んでしまったロックという音楽の死体を墓から掘り起こし、その死体を使ってゾンビごっこをしているようなものだった。 「ごらんよ、こいつはもうこんなに死んでるんだぜ」 死体をもてあそぶ事によって、よりはっきりとロックミュージックは死んでいることを実感する。 ペイブメントの初期の音楽はそういうものだった。 ペイブメント以外の人間にはそれがわからなかった。 ロックはまだ生きているもんだと思っていた。 そしていまだにロックをやりつづけ、ロックすることに意味があるのだと思い込んでいた。 まったく冗談じゃなかった。ロックなんて、とっくに死んだ死体なんだ。 ペイブメントは音楽で、それを語っていた。 俺は強烈にペイブメントにシンパシーを感じてしまった。 今の時代がはっきりとわかった。 ロックミュージックは90年代の世紀末にはまったくしっくりこなかった。 古臭いアティチュードを使いまわし、現実のつまらなさ、退屈さとはまったく逆の、あまりにリアルからかけはなれた主張。 誰も90年代の現実を見ていなかった。 見ていたのはペイブメントだけだった。 この時代からはパワーを受けるものなんてなにひとつ存在しない。 ただただ気力を奪われ、脱力していくだけだ。 ロックを聴いていると疲れてくる。 でもペイブメントを聞くと、とても楽な気持ちになれる。 不穏で不快な時代を、ペイブメントは悪ふざけをすることによって笑い飛ばしていた。 真剣に捉えると自殺するしかない時代の現実。 事実、真剣に受け止めようとしたニルヴァーナのカート・コバーンは自殺した。 死ぬくらいなら笑ってやるさ。 不謹慎なジョークを言って、徹底して不真面目、でもそうやって時代をサヴァイブしていくんだ。 ペイブメントを聞いていなかったら、俺は自殺していたかもしれない。 ペイブメントのファースト・アルバム、この壊れきった音楽を聴いて俺は命を救われたようだ。 「どうでもいいさ・・・・・」 なげやりにこうつぶやくことだけが時代を乗り切る唯一の呪文だった。 そして、けっして真面目に音楽をしようとはしない初期のペイブメントの曲が、この呪文を発動させた。 ペイブメントを聞いてつぶやく 「どうでもいいさ・・・・」 そうすることで俺は時代に飲み込まれることを回避し、生き続けることが出来たのだと思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ダメだ、この記事は。 失敗だ! ペイブメントはあまりにも思い入れが強いバンドなのでうまくレビューすることが出来ません。 わけわかんないレビューになっちゃってごめんなさい。 また改めてペイブメントレビューをしっかりと書きたいと思いますので、今回は勘弁してください。 はあ~! 思い入れの強いバンドのレビューを書くのってたいへんだなあ・・・・・。
by pulog
| 2004-07-08 19:33
| 音楽
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