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2004年 07月 18日
GOD SAVE THE すげこまくん
自分はなんにつけ濃いものが好きだ。 濃い映画、濃い音楽、濃い漫画・・・・・・・・ つまりマニアックと呼ばれるジャンルが好きである。 映画でも一般的な映画よりも特殊なファン層を持つホラー、SFといったジャンル 音楽ではネオアコ、ギターポップ、シューゲイザー、ニューウェーブといった それぞれのジャンルの中でも特殊なファン層を形成しているものに目が行く。 そんな自分がマニアかというと、そういうわけでもない。 マニアと呼ばれるほどのディープさ、知識の豊富さ、アイテムの所有、そういったものは俺にはないようだ。 濃いに恋するオタクといったところか? マニアになりきれないがマニアックなものが大好きなのである。 マニアにあこがれるマニア未満というのが俺だ。 だから実際にマニアな人物には無条件で尊敬してしまう。 そんな俺にとって、そしておそらく俺と同様マニアックなものに惹かれるひとびとにとって共通の悩みは、日常生活で自分の興味の対象であるマニアックな分野についての会話を他人とかわす機会がほとんどないということだ。 マニアックなものに対して話したいことはたくさんある。 けれど、それを聞いてくれる人が周りにいない。 話したところで、それがマニアックであるから、普通の人には通じないのだ。 だから自然とそういう話は他人にはせずに、自分の胸のうちにしまっておく。 マニアックな自分(というかマニアックなものが好きな自分)は、現実生活では表に現さないよう気をつけて、普通の人間として行動する。 そして内部に押し隠したマニアな自分を開放する場をいつも求めている。 そんな俺にとってネットは幸せな居場所である。 自分の好きなマニアックなものについて語れる。 語ってもおかしくのない空間である。 ここでは思う存分、自分の好きなマニアなものについて語って良い。 「そんなのわかんねーよ」と相手に言われて、なにやら自己嫌悪に陥ることは無い。 好きに語って良いのだ。 そしてうまくいけば、自分同様マニアックなものが好きな人たちとつながりを持つことが出来る。 同じような趣味を持つ人とネットを通じて仲良くなれることが出来るのだ。 だからインターネットは自然とマニアな人々の居場所となる。 現実生活では表現出来ない「マニアな自分」でいられる場所だからだ。 逆にいうと「マニアな自分」をネット以外の、職場や学校で解放することは危険だ。 だれもついていけなくて、孤立化し、変人として見られることになる。 よくても「あいつってオタクだな」と、多少の冷笑を持って迎えられることであろう。 「マニアな自分」はパーソナルな存在である必要がある。 「マニアな自分」を公の場で公開することは危険である。 そんな「マニアな自分」を公開してしまうことで生まれる、おかしさ、奇矯さを書いたのが永野のりこの「GOD SAVE THE すげこまくん」だ。 すげこまくんはパーソナルな存在であるはずのマニアな自分を学校という公共の場で大公開して、周囲に奇異の目で見られる。 マニアなすげこまの変人ぶりをギャグにしたのがこのマンガだ。 つまりボケとツッコミの変形バージョン すげこまのマニア趣味の大公開がボケであり、 ツッコミにあたるのはついていけないおいてけぼりの周囲がすげこまを無視してほっておくこと。 こういう構成のギャグなのである。 だからこの漫画を読んで笑えるのは「マニア」だけである。 自分自身が自戒している公共でのマニア公開を、ほんとにやらかしちゃったすげこまに対して「おまえそれはヤバいだろ?」と唯一ツッコめるのがマニアなのである。 だから「すげこまくん」はマニアがマニアに対して書いたマニアックなギャグマンガであり、読者ターゲットはあらかじめ絞りきられている。 マニア以外にはなにがどうおかしいのかわからず、マニアだけがそのおかしさを笑うことが出来るのだ。 実際ムチャな漫画だと思う。 しかしマニア(に憧れる)な自分にとってはとてもおかしく、かつ、痛々しい。 公共の場でマニアであることを公表するのはこんなにもみっともなく、痛々しいものなのかということを感じ、自分自身を振り返って胸がズキっとするのだ。 そんなズキズキを常に感じながら、同時にこの漫画のマニアックなギャグに笑ってしまう。 他人事ではないだけに、ついついハマってしまうのだ。 当然、作者の永野のりこも、そうしたマニアである。 作者自らの心のズキズキを笑いに転化したのがこの「すげこまくん」だ。 マニアのズキズキを誰よりもわかっている、マニア漫画家だからこそ書ける作品だ。 すごいと思うのはマニアな作者が「マニアック」な作品を書くのではなく、そんなマニアを外からの視点で描写したものを書いてしまったこと。 マニアなんだから「マニアックな漫画」を書けばいいと思うのだが、なぜ自分のイタい部分をわざわざさらして笑いものにするような漫画を書いちゃうのか? 自分がマニアとして納まりの良い場所に安住してしまうことを自ら避けているかのようだ。 だが、マニアを笑う漫画を書いた永野のりこは偉いと思ってしまう。 マニア漫画に安住するよりも、マニアのおかしさを書いた彼女は、「やっぱりマニアはいろいろとおかしい」とわかっていて、そしてそれがギャグとしてかなりおいしいことがわかっており、これはギャグ漫画にしない手はないと思ったのだろう。 マニア以外にはおすすめ出来ないのが残念だが「マニアな自分」を自覚し、それが日常生活では発揮できないジレンマを抱えてる人にはぜひお読みください。 ちなみにすげこまくんはなんのマニアかというと「怪獣マニア」なんですな。 彼の怪獣ネタに笑える人がどれだけいるのかわかりませんが、俺としては大爆笑です。 作者、永野のりこももちろん大の怪獣ファン。 「怪獣王」というとり・みきと3人の怪獣マニアとの対談集の1人目の対談者として登場する永野のりこですが、この対談の内容は怪獣ファンである俺には涙なくしては読めない、わかりすぎるほどわかる「怪獣ファンの苦悩と愉悦」について語られております。 「怪獣王」は俺の愛読書、10回ぐらい読んでます。
by pulog
| 2004-07-18 18:22
| マンガ・アニメ
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