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2004年 07月 08日
SABE
前回紹介したSABEですが、最後に少し触れた彼の傑作短編集「ブルマー1999」につてレビューしたいと思います。 このコミック実に面白く、短編の1つ1つの質が高く、また内容が濃い! 成人漫画指定になっているのは残念です。 たしかにエロマンガも収録されてますが、エロマンガというよりはアナーキックギャグ、およびシリアスで切ない短編小説風作品がほとんどで、またエロマンガにしても、内容がよく面白いです。 偏見を持たずに多くの人に読んでもらいたい作品集です。 収録作品は 1・ブルマー1999 2・ブリード 3・ブルマー2001 4・みんなのお兄さん 5・玉突き女 6・田舎の体育祭 7・スキーに行ったらね 8・みんなのアイドル、まゆ子ちゃん 9・カミソリの玲 10・寒い夏 の10本 1~6までが出版当時99年近くに描かれたもので、7~10はデビュー時の80年代ごろの作品 1・ブルマー1999 1999年、恐怖の大王が本当に来ちゃって人類はほとんどが滅びてしまったという適当なオープニングからはじまり、地球は北斗の拳みたいな世紀末になってしまった。 そして世界を征服しようとたくらむラ王の一派によって世は乱れていた。 ブルマー少女を襲うラ王の手下! そこへあらわれたのは、ブルマー大好きな青年ジャッキー!(別に拳法はつかえない) とにかくブルマーと北斗の拳を合体させた、ブルマーと北斗の拳が大好きな人に捧げる世紀末ギャグ。 ブルマーと北斗の拳が大好きな人なら気に入ることうけあいです! 2・ブリード 近未来を舞台にしたSF 未来への不安が遺伝にまで作用し、性的に不完全な人間しか生まれなくなる。 成人しても少年少女の姿のまま、まったく性欲を持たない。 そんな中に結婚して子供を作ろうと考えるカップルがいた。 彼らは見た目は子供だが大人なのだ。 ただ性的に不能であり、セックスをすることは出来ない。 政府の人口維持機関に行き、強制的にセックスを行ってくれるようたのむ2人。 この作品は短いながら、なんとも切ない読後感を残す傑作である。 まるで家畜の種付けのようにあつかわれるカップル。 受精が終わった後、これからの未来に希望を見たような表情を浮かべる女性に対し、 精を搾り取られた男のほうは少年のような外見から一気に老け込みまるで老人のようになってしまう。 子供を産み、育て、未来について希望をつないでいける女性に対し、役割を終えた後は存在する必要の無くなる男性の悲しさ。 2人の間には大きな隔たりがある。 男性読者にとってはあまりに切なく残酷な物語である。 3・ブルマー2001 ブルマー1999の続編、あいかわらずブルマーと北斗の拳が好きな人にはたまらない世紀末ギャグ 4・みんなのお兄さん テレビの子供番組で体操のお兄さんをやっている青年の裏の顔は? SABEの作品にしてはめずらしくストレートなエロマンガだが、最後に強烈なオチが待っている。 5・玉突き女 場末のビリーヤード場をぶたいにした、やさぐれ感が漂うエロマンガ なんとなくRCサクセションの曲が似合いそうな、軽いタッチの好編 6・田舎の体育祭 コンプレックス・プールの戸田誠二もカバーした傑作 田舎の高校生が主人公の、どこかなつかしいノスタルジーが漂う、まるでマイナーな日本の青春映画のような感触の短編。 なにもドラマチックなことが起こらない退屈な日常をたんたんと描いている。 たしかに退屈な毎日でも、未来に対して淡い憧れを感じているそんな微妙な空気を見事に表現している。 主人公の少女と少年の恋とはいえない微妙に相手の異性を意識する様子がほほえましくも切ない。 そして清清しく爽やかなラスト。 一見地味だが、味わい深くとても好きな作品。 7・スキーに行ったらね SABEが80年代に描いた初期作品。 絵柄は現在のシャープでクールなものに比べるとさすがに古い。 が、この作品のアナーキーな不条理っぷりは今読んでもまったく遜色ない壊れた世界だ。 温泉旅行に行った少女が見たものは? 理由無き悪意に満ちたバスの運転手! 虫にしか見えないアメリカ人が女を犯す! 初期ペイブメントの音楽にも並ぶ、壊れきってて無責任な、シュールギャグ 8・みんなのアイドル・まゆこちゃん これも上の「スキーに行ったらね」路線の壊れた無責任ギャグマンガ さらに無責任っぷりは高く、作者のやる気の無さ、投げやりな姿勢が逆にむやみにおかしな効果を生んでいる。 9・カミソリの玲 おそらく「私をスキーに連れてって」などのスキーが流行っていたバブル時代に書かれた作品であろう。 とにかくスキーが嫌いだ!ということをいいたいだけの作品。 10・寒い夏 壊れてるとかシュールだとか言う前に、とにかく作者のやる気のなさがひしひしと伝わってくる投げやりな作品。 なんか漫画なんか書きたくなくて仕方のないときに無理矢理描かされたのだろう。 このやる気なさ、投げやりっぷりはある意味、攻撃的でさえある。 そんなわけで、作品1つ1つ、非常に濃くて妙な味わいが楽しい作品集だ。 全体的に壊れているが、ところどころはさまれるシリアスな作品が、この短編集を引き締めている。 初期の荒削りな作品もいいが、やはりブルマー1999から田舎の体育祭までのながれが非常によく、まるでよく出来た音楽アルバムを聞いているような気持ちにもなる。 まあ、優れたマンガ短編集ってのは、みんな音楽のアルバムと同じような気持ちで読めるよね。 こんな俺のヘタレレビューじゃなくて ちゃんとしたレビューを読みたいかたはこちらからどうぞ! ブルマー1999レビュー
by pulog
| 2004-07-08 23:53
| マンガ・アニメ
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