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2004年 07月 05日
岡崎京子さんのこと。わたしの80年代
80年代に活躍した漫画家、岡崎京子。 しかし交通事故に会い、重態となり現在漫画家としての活動はしていない。 一時期、意識不明の状態だったらしいが、今はだいぶ回復しているらしいとのこと。 早く漫画家としての復帰を望むが、なんと言うか彼女が事故に会い死の淵を彷徨ってしまったことに、不謹慎ながらなんらかの必然を感じてしまった自分がいる。 彼女の漫画は80年代ニューウェーブポップ的な明るくお洒落な作品であり、俺も大好きだった。 しかし彼女はそのポップで明るい作風の裏に・・・・いや裏というより奥底に、深い死生感を潜めていたように思う。 消費文明社会から生まれた物質的80年代サブカルチャーポップ。 その代表であり、象徴でもあった岡崎京子が、そうした80年代サブカルから真っ向から対立する「死」の観念をいつからか自分の作品に、一見わからないよう少しずつ潜め始め、次第に作品内からは「物質文明に溺れているばかりでは感じられない真実、現実が存在するのだ」ということを主張しはじめる。 それが頂点に達したのが名作であると同時に怪作でもある「リバース・エッジ」、岡崎作品のなかでも、どこに位置させればいいのかも不明な実に異質な感触を持つ作品だ。 それはある意味、彼女が描きつづけていた作品のコンセプト全てを否定するかのように見える「残酷な死の存在」をテーマとして書かれたものだった。 正直、自分はこの漫画がどういうものなのかさえ、判断できない。 難解であると思うし、いったい何を意味し主張しているのかさえわからない。 なんというかあまりにも異質で奇怪、不安感を感じる作品であった。 ずいぶん昔に読んだのでストーリーは忘れてしまっている。 もう1回読んでみたいとも思うのだが、もう1度読んでもわからないような気もする。 ただ、この漫画を読んだときに感じたことは、これを書いてしまった岡崎京子は、踏み込んでしまうにはあまりに危険なほどに「死」という観念に近づいてしまった、ということだった。 それはまるで、物に囲まれて全然見えなくなってしまった「死」というものの姿を、見てみたい、という感情によって書かれていたようにさえ見えた。 そして、この作品を書いたあとに岡崎京子は交通事故に会う。 生きているのが奇跡というほどの大事故だったらしい。 不謹慎であるのを覚悟して言うが、俺はこの事故は岡崎京子自身が招いたように思えてならない。 彼女に事故の責任があると言っているのではない。 岡崎京子は、あまりに「死」を求めすぎたのではないだろうか? 「死」というものの感触を、確かめてみたくて仕方なかった。 彼女はそう思っていたように思えてならないのだ。 だから彼女を襲った事故は、彼女が1番求めていたものであったような気がしてならない。 岡崎京子自身や彼女の関係者、そして彼女の漫画のファンに対して自分はとても失礼なことをいってしまっているのかもしれない。 俺はバカで見当違いのことを言っているのだろう。 それに俺は彼女が事故に遭う直前に書かれた「リバース・エッジ」について、1度読んだにもかかわらず、まったく内容を忘れてしまっているのだ。 ただ、この作品を呼んだときに感じた、非常に冷たい感触だけを憶えているだけだ。 他の岡崎漫画からは感じたことの無い、冷たく鋭利な、人を刺すナイフのような感触。 つねに明るく、笑顔で、日常を楽しみ、日常を少女的な夢に変換していく岡崎漫画とはあまりにかけはなれた、恐ろしさを「リバース・エッジ」から感じたのだ。 まったく俺はなんで読みもしない漫画や読んでも忘れてしまった漫画について語ろうとしているんだろう? もしかしたら、「リバース・エッジ」を読んだことで俺はなにかのトラウマを負ったのかもしれない。 そのトラウマの癒し方さえ、わからない。 だって、「リバース・エッジ」がどんな漫画であったのか、まったく憶えてないのだから。 しかし俺は岡崎京子の漫画で、ちゃんと憶えていてなおかつ大好きな漫画、愛しているとさえいってもかまわないほど好きだった漫画「PINK」の中で、主人公の女の子が星空を見上げながらつぶやいたセリフを、今もよく憶えている。 「現実の中ではどんなことでも起こりうる。どんな残酷なことでも。どんな優しいことでも」 「PINK」の主人公の女の子がつぶやいたこの言葉を 俺は、この「世界」という実態のつかめないものの、真実の有り様として、心に刻んでいる。 ちょっと村上春樹の哲学にも似ている。 現実とは、どんなことでも起こり得るのだ。 どんな残酷なことも。 そして、どんな優しいことも。 そんな世界で、自分も、岡崎京子も、生きていたのだと思う。
by pulog
| 2004-07-05 01:33
| マンガ・アニメ
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