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2005年 03月 28日
「なぜ俺はオタクになったのか?」シリーズで言及し忘れていたことがあった。 現在の「萌え」の原型となるアニメ「うる星やつら」をはじめとする美少女アニメについて。 「うる星やつら」が放送されていたのは俺が高校の頃。 このアニメは「ガンダム」などのリアルでハードな路線が全盛だった時代に突如現れ、アニメ業界にカウンターパンチをくらわせた作品だった。 それまで主流だったハード指向のアニメに対して、そうしたアニメ全体のパロディ的な作品だった。 宇宙人や、その他SF的なガジェット(小道具)を、無理矢理「日常」、「学園物」の中に組みこんで作り上げたスラップスティックコメディで、生真面目なマニアが多かったSFファン全体に対して「ちゃかす」ような姿勢を持っていた。 なにより思春期のハードSFマニアに対して「美少女」の存在をアピールし、「なんだかんだいっても、おまえら女の子とか好きなんだろ?」と図星を言い当てたところが「してやられた」気持ちにさせられる。 それまで女の子なんかに興味ない振りをしていたマニア気取りの思春期SF,アニメマニアの野郎どもにとってラムちゃんの登場は衝撃であった。 理屈っぽくハードSFアニメを評論していたオタクの前に現れたトラ縞ビキニの美少女は刺激的であった。 ラムちゃんはまたたくまにアニメオタクのアイドル、オタクアイコンとなる。 アニメにおける「美少女キャラ」の重要性をはっきりと表明したのである。 「うる星やつら」が放送されたとき、俺は恥ずかしくて番組を見れなかった。 自分の心の中でひっそりと思っていたこと。 「アニメに出てくる女の子が好き」 「アニメ美少女の水着姿(あるいは裸)が見たい」 という思いをズバリ言い当てられてしまい、恥ずかしさのあまり、ビキニで空を飛びまわるラムちゃんの姿を直視出来なかった。 「うる星やつらなんてナンパなアニメ、くだらない」 と、虚勢を張って、あえてアンチを気取っていた。 その実、実は「うる星やつら」見たくてたまらなかったのだが。 「うる星やつら」によってクローズアップされたアニメ美少女という存在。 今ほど「萌え」文化が発達していなかった当時、アニメオタクはほぼ無理矢理な形で、アニメ美少女へのアプローチを試みていた。 それは小さい女の子向けに作られていた魔法少女アニメをおっきいおにいちゃんたちが積極的に見るようになるというトホホな現象だった。 当時放送されていた魔法少女アニメは「ミンキーモモ」だった。 おっきいおにいちゃんのアニメオタクは、このアニメに登場する子供の魔法少女に対して強引に接近する。 「ミンキーモモが可愛い!」とアピールすることで、自分のアニメ美少女に対する憧憬を外側に形作ろうとしていた。 それは本気でミンキーモモが好き、というより「俺達はかわいいアニメ美少女を求めているんだ!」という意思表明のようなものであった。 「うる星やつら」以外に「美少女」を大々的にフューチャーした作品が他になかったために、とにかく美少女が出てくるアニメがあれば、それが子供向けであろうとなんだろうとリスペクトする姿勢を見せて、アニメ業界に、さらなる美少女の「製造」を求めていたのだ。 そうしたミンキーモモに対するアプローチはさらに過激になり、「ロリコンオタク」の登場となる。 アニメ美少女というより「小さな女の子」が好きだ、と発言するものが増え、さらに同人誌において「ミンキーモモのエロパロディ」なるものまでが作られる。 俺は、このロリコン現象に奇妙な思いを抱いていた。 なんだか彼ら「自称ロリコン」は、本気で小さい子供の女の子を好きなわけでもないのにロリコンを自称することで変に盛りあがっているように見えた。 ほんとのところはアニメに出てくる高校生くらいの同世代の女の子が好きだったのだと思う。 しかし、「アニメの女の子を好きになる」という感情をストレートに表現出来なかったのではないだろうか? あえて自分が「小さい子供の女の子が好き」という特殊性をアピールすることで、同世代の設定のアニメ美少女に対する憧憬を紛らわせていたようなフシがある。 なんというか真正のロリコンなんて、そんなに大勢いるとは思えなかったのだ。 なぜ「自称ロリコン」のオタクがそんな屈折した姿勢をとっていたのかは不明だが、「アニメの女の子が好き」ということは、どうもストレートに表現しずらいのかもしれない。 俺自身が「うる星やつら」に対して虚勢を張ってアンチでいようとしていたのと同じなのかも知れない。 しかしてアニメ業界は、そうした屈折したアニメファンのアピールをそのまま受け取ってしまった。 ミンキーモモの後番組は、小さい女の子向けではなく、そうしたおおきいおにいちゃん向けにターゲットを絞った美少女アニメ「クリーミーマミ」が放送される。 ロリコンオタクに絶賛されることになり人気を博すが、これはなにか間違ったムーブメントだという気がしてならなかった。 本当は同世代美少女キャラをこそ求めているのに。 あえてそれは口に出せず、アニメの「小さい女の子」が好きだと公言している。 俺にはそう見えた。 少なくとも自分が求めていたのはロリータキャラではなかった。 同世代美少女キャラだった。 しかし業界はそう思っていなかった。 人気があるのはロリータキャラなのだ、と理解してしまったようだった。 しばらくして、より直接的な形で美少女アニメオタクのリビドーに直結するような作品が登場する。 ロリータポルノアニメ「くりいむれもん」である。 ビデオレンタルオンリーのこのシリーズ、さすがに小学生という設定でポルノを作ることは出来なかったのか、「くりいむれもん」の美少女キャラは高校生という設定であったが、その絵柄は高校生よりもずっと幼い少女に見えた。 いまでこそ美少女アニメポルノはたくさん普及しているものの、この「くりいむれもん」の登場は「まさかアニメの女の子がエッチなことをするなんて!」と世のオタクに大きなカルチャーショックを与え話題になる。 現在のエロゲー文化、エロマンガ文化の原点になるのが、この「くりいむれもん」であったと思う。 しかし、当時この「くりいむれもん」はかなり危ない作品であるように思えた。 エロゲー、萌えゲーが大量に溢れる現在と違い「くりいむれもん」はものすごく変態的な作品の思え、なかなか実際に見るのは勇気がいるものであった。 自分は「くりいむれもん」はちょっと変態すぎるんじゃないか?と思って好きになれなかった。 数年後にエロアニメなんて珍しくもない時代になったときに「くりいむれもん」を見てみたのだが、あまりにもたわいもない内容で拍子抜けしてしまった。 当時は決して踏み入ってはならない禁断のビデオみたいに思っていたものだ。 ロリータ文化が様様な紆余曲折を経て、現代の「萌え」に発達していったように思うが、個人的に「萌え」文化はかつてのロリータ文化よりもずっと進化した質の高いものであると思う。 ロリータ文化は声高に「アニメ美少女が好き!」と公言出来ない屈折した思いにより生み出された偽物のムーブメントだったと思えてならない。 今の「萌え」はそうした屈折がなく正直で本気である。 普通に萌えることさえなかなか難しかった時代に比べると、今は非常に恵まれていると思う。 さて、「うる星やつら」に対してアンチな態度を取りつづけていた俺だったが、俺の妹が「うる星やつら」の劇場版第2作、「うる星やつら2」がいい!と俺に勧めてきた。 妹は少女漫画は好きだったが決してアニメオタクではなかったので、彼女がアニメをプッシュするなんて珍しいと思った。 心の底では「うる星やつら」を見たいと思っていた俺だったので「そこまで言うなら見てやってもいいかな」とでも言うような態度を装って見に行った「うる星やつら2」は、アニメ美少女がどうこうというレベルではなく、素晴らしく質の高いシュールな幻想物語であり衝撃的だった。 思えばこれが「攻殻機動隊」の押井守監督とのはじめての出会いである。 いつまでも終わらない学園祭前夜を延々と繰り返すという幻のようなストーリー。 白昼夢のような不思議でセンチメンタルなカット。 音楽も素晴らしく印象的だった。 「うる星やつら」がこんなに優れた作品であることに驚き目から鱗が落ちた思いだった。 「うる星やつら」本編はどうか知らなかったが、この「うる星やつら2」は紛れもなくアニメ史上の傑作だった。 今でも印象深く好きな作品であり、切なくなるような感傷を感じるアニメである。 監督、押井守が後々アニメーションを代表する巨匠になることも納得できる。 幻惑的シュール学園アニメであり、時代を超えた名作であると思う。
by pulog
| 2005-03-28 16:00
| マンガ・アニメ
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