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2005年 01月 11日
自分の中でマイブームのエレポップ。 ヒューマンリーグ、ニューオーダー、ペットショップボーイズと次々とレンタルして 聞きまくっていますが、どれもなかなか気持ちいいです。 さて次なるエレポップとして、いよいよテクノポップの神、クラフトワークの「エレクトリックカフェ」をレンタルしてきました。 ジャケットもアルバムタイトルも実に「テクノポップ」していて素晴らしい。 そして曲も非常に気持ちが良い、さすがはクラフトワークといった感じのアルバムですが、収録曲が6曲、アルバムのトータル時間は30数分とボリューム不足なのが少々難であります。 が、このシンプルな電子音によるポップスを聞いていて感じる快感はかなりのもので、聞いていると軽くトリップ出来る上に、なにか中毒にかかったかのように何度も繰り返し聴いてしまいます。 このアルバムを聞いた感覚はエイフェックス・ツインを聞いているときの感覚に非常に良く似ている。 単純に「音」としての快感を追求した楽曲は、まさにエイフェックスと共通するものです。 エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスは16歳になるまで、自分の作った曲以外の音楽は聞いたことが無かったなどという逸話がまことしやかに噂されていますが、そのリチャードが故郷であるイギリスの離れ小島からロンドンに上京して始めて耳にした自分以外の音楽で「なんだか俺の作っている音楽に似てるなあ」と感じたと言うのが、なにあろうこのクラフトワークであったという話ですが、たしかにクラフトワークの「純粋に気持ちのいい電子音」であろうとした姿勢はエイフェックス・ツインの音楽と似ています。 そう、エイフェックスを聞くときも、クラフトワークのこのアルバムを聞いていると自分は「意味性の無意味さ」というものを感じてしまうのです。 「意味を持つ」という行為、現象がひたすら無意味であるような感じ。 「意味」という呪縛から開放されるような快感。 ただ音の響きの気持ちの良さに身をまかせることの清清しさ。 そして全ての音楽の原点がメロディではなくリズムであるということを実感させられます。 クラフトワークの「エレクトリックカフェ」では非常にソリッドでタイトで、クオリティの高いリズムを聞かせてもらえるのです。 そしてリズムが研ぎ澄まされていればメロディはさほど重要ではない、と実感させられます。 このリズムが洗練されていることから「エレクトリックカフェ」は86年にリリースされたアルバムにも関わらず、今のテクノと聞き比べてもまったく遜色の無い、現代でも通用する音楽になっているのです。 テクノの素晴らしいところはメロディ(意味)から、リスナーを開放しリズム(無意味、あるいは原始的な快感)を楽しませる点にあると思いますが、クラフトワークこそが、そうしたテクノの基本を築いたまさにオリジネイターであり、元祖であり、そしてテクノの神様であります。 何度繰り返し聴いていても飽きないアルバム。 このアルバムに関しては批評は必要無いでしょう。 言語化される以前の「感覚」で鳴らされている「音」であるからです。 だから言葉での説明は無用で無意味です。 クラフトワークはこのアルバム以後、91年に自分達の楽曲をセルフカバーしたリミックスアルバム「Mix」を発表しただけで10年以上オリジナルアルバムを発表していません。 2003年に「ツールド・フランス」のリミックスアルバムを発表したようですが、これに新曲が収録されているのかどうかはわかりません。 もし2003年「ツールド・フランス」に新曲の収録がなければ、この86年の「エレクトリックカフェ」がクラフトワークのオリジナルアルバムとしては現在において最後の作品ということになるようです。 しかし、これで一切新曲を発表せず、このアルバムで最後、ということになってもいいような気がします。 「エレクトリックカフェ」はクラフトワークのキャリアの締めくくりにふさわしいとさえ思えます。 一切ドラマチックな展開にはならず、ひたすら無機質に鳴らされる打ち込み。 クラフトワークの全ての作品において言えることかもしれませんが、彼らのこうしたドラマとして発展していくことを徹底的に拒否していく姿勢に俺は共感してしまいます。 そこには真実もなければ嘘もない、極めてクールな「現象」があるだけです。 まるで科学者のような「現象史上主義」ともいえるクラフトワークの音楽に取り組む姿勢が好きです。 ドラマや真実などといったうざったいものを全て排除した、純粋な「音」を聞くことの楽しさ、気持ち良さがそこにあるからです。 物語も言葉も善悪の区別も消えた純粋な世界、それをクラフトワークは音楽によって作り出して見せます。 クラフトワークが音楽によって作り出したミステリアスで、しかし未知なるものへの興味に満ちた不思議な世界に包まれることは非常に楽しく気持ち良く思えます。 世界を創造してしまうという意味でもクラフトワークは「神」でありといえるのかもしれません。 と、「神」とかなんとか大げさなことを言うのはクラフトワークには似合いませんね。 クラフトワークの音楽は確かに日常的ではなくSF的なものでありますが、それは日常を超えた「普遍」につながるものであると思います。 なにも大げさなものではない。 クラフトワークが音楽で表現しているのは「普遍」に過ぎないのです。
by pulog
| 2005-01-11 13:10
| 音楽
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